【人工呼吸器】PCV(従圧換気)モードとは

人工呼吸器には様々なモードがあって、何がなんやらって感じることもあると思います。

今回は、人工呼吸器の設定のうえで重要なPCV(従圧換気)とVCV(従量換気)のうち、PCVについて詳しく説明していきます。

目次

PCV(従圧換気)とは

PCVモードとは、「従圧」とあるように、気道内の圧力にフォーカスして換気をおこなってくれるモードです。

吸気圧と吸気時間を設定することで、気道内圧が設定された値に保たれるように換気がおこなわれます。

メリット

PCVモードのメリットは、次の3つです。

  • 肺の過膨張を防げる
  • リークがあっても換気量が保たれる
  • 自発呼吸との同調性がよい

肺の過膨張を防げる

肺のコンプライアンスが悪く、拡張しにくい場合でも、気道内圧は決められた圧力までしか上がらないため、肺胞の限界を超えるような過膨張や気道内圧がかかりすぎてしまうことを防ぎ、肺や気道の損傷を防ぎます。

リークがあっても換気量が保たれる

決められた圧になるまで換気がおこなわれるため、多少のリーク(空気漏れ)であれば、目標とする換気量は保たれます。

自発呼吸との同調性がよい

吸気流量が設定されていないため、自発呼吸がある場合でも規定の圧力までしか換気がおこなわれないため、同調性がよいです。VCVモードの場合は、自発呼吸がある場合でも、決められた量の空気が送り込まれるため、吸気が必要以上に入りすぎてしまったり、ファイティングを起こしてしまったりするおそれがあります。

デメリット

デメリットは、主に次の1つです。

  • 1回換気量、分時換気量が保証されない

1回換気量、分時換気量が保証されない

PCVでは、一定の気道内圧到達分しか換気されないということは、肺コンプライアンスが悪く拡張がイマイチの場合には、当然換気量が減ってしまいます。酸素濃度などで調整していく必要があります。

まとめ

従圧モードでは、得られるメリットがけっこう多いです。その代わり、デメリットで記したとおり、換気量が確保されない場合もでてきます。

看護師は、従圧モードでは制御しきれない、1回換気量、分時換気量に注意して管理していきましょう。

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