敬語は本当に壁をつくるのか?

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患者さんとのコミュニケーション

4月も後半に入り、新人看護師もそろそろ患者さんの担当を始める時期だと思います。先輩看護師が患者さんと親しげに会話している姿を見ると、自分もそんなコミュニケーションに憧れを抱くと思います。しかし、間違ったコミュニケーションをしてしまうと、患者さんからの信頼を失ってしまうおそれもあります。

今回は、患者さんとのコミュニケーションについて、自分の考えも含めてまとめていきます。

タメ口

患者さんとのコミュニケーションでよく言われるのが、患者さんにタメ口を使うことは良いことなのか問題です。学校や実習では「患者さんにはきちんと敬語を使いましょう」と習うはずですが、いざ現場に行くと、タメ口でフレンドリーに会話している先輩看護師を多く見かけます。新人さんも初めは敬語を使っていますが、仕事に慣れてくると徐々にタメ口になっていく印象を受けます。では、果たしてタメ口を使うことは実際に良いことなのかどうかをみていきましょう。

タメ口のメリット

タメ口のメリットとして考えられるのは、「親しみやすさ」ではないでしょうか。常にかしこまった敬語だと、コミュニケーションに壁ができてしまい、患者さんの本心などを聞けないんじゃないか。あるいは、家族のような存在になり、安心感を与えるためにはタメ口の方がいいのではないか、ということですね。

それって敬語じゃできないの?

タメ口のメリットに「親しみやすさ」を挙げてみましたが、これって敬語だと実現できないのでしょうか。確かに、ガチガチにかしこまって会話をしていれば心を開きにくいかもしれませんね。でも、やわらかい表現で、敬語というより丁寧語で話すイメージでコミュニケーションをとれば、心を開いてもらえると思います。

むしろ、タメ口って、患者さんの信頼を失いかねないと思いませんか?患者さんは(小児科などは別ですが)基本的に人生の先輩です。それなのに、いきなり若者(看護師)に馴れ馴れしくタメ口で話しかけられて、良い気分がするとは思えません。僕なら嫌です…。もちろん、気にしないという方や、気になっても態度に出さない方もいらっしゃると思いますが、万が一にも僕と同じように感じる患者さんであれば、これだけで損ですよね。逆に、きちんとした言葉遣いができる人に出会うと、それだけで「しっかりしているな」と、僕は感じます。同じように思ってもらえる人がいるのであれば、敬語や丁寧語を使った方がコミュニケーションにおいては得ですよね。

とはいえ、、、

上記したように、僕は、自分自身がされて嫌だと感じることは患者さんにもしたくないと思っており、原則敬語でコミュニケーションをとっています。しかし、入院期間が長くなり、かかわる機会が増えてくると、「よくないな〜」と思いながらもタメ口を使ってしまうこともあります。

態度にも気をつけている

ついついタメ口を使ってしまったときであっても、態度に気をつけています。患者さんに対する尊敬や尊重の意識は絶対に忘れないようにしています。

まとめ

僕の考えの結論としては、「患者さんと会話するときは敬語を使ってください」です。

学生時代、実習前に先生からこんな話を聞きました。

私の父が入院したときに、私よりも若い看護師に、まるで子供をあやすような言葉遣いで接されている姿をみてショックを受けた。今まで尊敬してきた威厳のある父がこんな扱いを受けているなんて、と。

今は入院して患者という立場だが、それぞれ入院前は親としてや社会の一員としてなど、役割をもっている。そのことを忘れずに患者さんとは接してほしい。

この話を今でも強く印象に残っています。タメ口を使われている患者さんがどのように感じているかももちろんですし、それを目にする家族や他の患者さんがどのように感じるかまで考えてコミュニケーションをとることを心がけていきましょう。

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