患者のバイタルサインを測って、清潔ケアをして、手術患者の迎えに行って・・バタバタしていて気づいたら退勤時間だったけど、まだまだ業務が残っている・・
このような経験は、病棟で働く看護師には日常的に起こるシチュエーションではないでしょうか?
今回の記事では、自分のすべき業務を整理して勤務時間内に終わらせるための「時間・タスク管理術」を紹介していきます。
私自身がこの内容を心がけ、忙しい病棟ではありますが定時退勤できていますので、ぜひ参考にしてみてください。
どのようなタスクがあるか?
まずは、看護師が日々の業務で抱えるタスクにはどのようなものがあるか整理しましょう。
一般的に想像できるものは、ザックリ次のとおりです。
- 患者のラウンド・バイタルチェック
- カルテ記事を書く
- 検査や手術、リハビリの出棟・迎え
- 清潔ケアや処置
- オーダーされた指示や点滴・内服薬の処理
- 術後患者や入院患者の対応
- 患者や他のスタッフからの頼まれごと
まだまだ探せばいくらでも出てきそうですが、毎日これらの大量のタスクを抱えています。
すべきことを認識する
これだけ多くのタスクを書き出しましたが、実際の現場ではこれらを時の流れに任せながら実行している人も少なくありません。それでうまくこなせている人もいるので、尊敬しますが、私にはそれができませんでした。
私は、患者ごとに今日1日でしなければいけないことをタスクとしてワークシートに書き出しています。こうすることで、患者に何をしなければいけないかを可視化することができます。また、何を既に実行したかも確認できます。
タスク作成のポイント
まずは、タスクを作成するタイミングです。
それは朝イチ、勤務開始時です。カルテで事前に情報をとりながら、申し送りを聞きながら、今日1日のタスクを洗い出します。
作成したタスクの見直しも必要です。タイミングとしては、日勤であれば昼休憩後がよいでしょう。
午後からすべきタスクと、午前中に完了できなかったり増えたりしたタスクを見直します。
タスクの優先度を考える
担当する全患者の1日のタスクを俯瞰することができれば、次はそれらに優先順位をつけていきましょう。この作業が非常に重要です。
優先度を考えるときは、重要性の尺度と緊急性の尺度から評価しましょう。
優先度の高いタスクとしては次のようなものが挙げられるでしょう。
- 手術やリハビリ、抗生剤投与など、開始時刻が決まっているもの
- 患者の生命や安全にかかわるもの
- 人員を要する(1人で解決するのが難しい)処置やケア
反対に、優先度の低いタスクには次のようなものが考えられます。
- 重症度の低い患者のラウンド
- 5〜10分前後しても問題ないもの
- 勤務時間内に完結させればよいカルテ処理やオーダー受けなど
- 5〜10分のスキマ時間で完結できる小さな用事
*誤解ないように記すと、重症度の低い患者をないがしろにしていいという意味ではなく、患者のもとに行くのが予定より10分遅くなったことで生じる影響が小さいということです。
時間配分を考える
優先度をつけられたら、各タスクにどれだけの時間を割くかを考えます。自分のこれまでの経験から、カルテを1記事書くのにかかる時間やケアにかかる時間をザックリ把握しておきます。
ルーティン的なもの(カルテ処理など)はチェックリストを作成し、短時間で完結できるようにしていきましょう。
☆★チェックリストの作成については、下の記事の「清書ノート」の項でも紹介していますので、参考に一読ください。★☆
時短できるものはサクサク終わらせて、時間的余裕をつくることができたら、患者の生命や安全にかかわるような重要なタスクに対して十分な時間を使いましょう。勤務時間内にタスクを完了させると言っても、ただ業務的に実行してよいものと、時間をかけて慎重にすべきものがあることは理解しておきましょう!
忙しいから・タスク過多だからと言って、患者への対応をないがしろにしてよい言い訳にはなりません!
「ついで」でできることはまとめておこなう
患者ごとに優先度の高いタスクと優先度の低いタスクが混在していると思います。
患者のもとを訪れる必要がある場合には、優先度の低いタスクであってもまとめて処理してしまいましょう。
そうすることで、患者のもとを何度も訪れる手間が省けます。患者からしても、看護師が何度も来てその度なにかをされたり、質問されたりするのは鬱陶しいでしょう。
協力体制を整える
1人で完了できないタスクについては、他のスタッフの協力が必要不可欠です。
一緒にケアに行ける時間を調整してもらったら、それに間に合うようにこちらも時間調整しましょう。誰かの時間を借りるということはタイミングが大事であるため、優先度の高いタスクであると認識しておきましょう。
1人で業務が終わらないときは
その日の担当の割り振りやイベントのブッキングによっては、どのように動いても勤務時間内にタスクが完了できないこともしばしばあります。
こういった場合には、他のスタッフでもできるタスクを振らせてもらうように依頼しましょう。正直、これは気が重いですし、新人さんなどは特に苦手だと思います。
しかし、分担によって業務に偏りが出ることや、時間帯によって手が空くスタッフがいることもあるため、積極的に協力依頼をしてみましょう。
もちろんその分、自分の手が空くときは周りのスタッフに声をかけて、積極的にお手伝いしましょう!持ちつ持たれつの関係性が築ければ、協力依頼のハードルも下がるでしょう。
まとめ
タスク管理できるようになれば、スムーズに業務を進行できるだけでなく、やり残し・やり忘れがグッと減ります。これは私自身も実感していることです。
自分がケアやカルテ記事を書くのにどれぐらい時間がかかるのかをザックリ把握しておきましょう。
時刻に縛られるタスクや人員を待つ必要があるタスクは、実行までにスキマ時間が生まれがちです。そのときに、その都度なにをしようか考えるのではなく、スキマ時間に処理できるタスクを事前に整理しておき実行することで、よりスムーズに自分の業務をおこなうことができるようになります。
ぜひみなさんも、無駄だと思う時間を減らし、重要なことにたっぷり時間を割けるようにしましょう。そして、きちんとやるべきことを終えて定時で退勤しましょう!
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