こんにちは!さっそくですが、皆さんは、スティーブン・R・コヴィーさんの名著『7つの習慣』を読んだことがありますか?
こちらの著書では、人生の本質的な問題に対する解決策を導くための習慣が7つ紹介されています。
今回は、そのうちの1つの習慣「主体的である」を、看護の場面でどのように生かすを考えていきます。
完訳 7つの習慣 30周年記念版「関心の輪」と「影響の輪」
第一の習慣「主体的である」の項では、「関心の輪」と「影響の輪」の話が出てきます。これらは一体どのようなものなのでしょうか?
関心の輪
まずは、関心の輪です。
こちらは、自分が日常生活で興味・関心を抱く事柄の範囲を指しています。この範囲には、ニュースで取り上げられている事件や、環境問題など、自分ではどうしようもないようなことも含まれています。
影響の輪
次に、影響の輪です。
こちらは、自分がかかわることで実際に影響を及ぼすことができる事柄の範囲を指します。
高いところにあるものを取れずに困っている子どものために自分が取ってあげるなど、自分の行動が他者の役に立ったり元気づけたりするようなことです。
影響の輪を広げる
本書では、「影響の輪」を大きくして、「関心の輪」を包括することを目標とするように記されています。
すなわち、自分が実際に影響を及ぼせる範囲にのみ関心を持ちましょうということです。”老後2000万円問題”のニュースを見て、「日本の将来は暗い」と嘆くのではなく、「将来の自分のために貯金をすることでよい影響を与えられるな」と考えようということです。
看護における “影響の輪”
患者さんの退院を目指す際に、看護師は、患者のこれまでの食生活などの生活様式を変える必要がある場面に出会います。
患者さんにあれこれ指導をおこなうのですが、なかなか変わらない・やる気を出してくれないこともしばしばあります。そして「あの患者さんはわかってくれない。ちっともやる気がない」と、ついつい嘆いてしまうことがありますよね・・・
しかし、これは単純に 影響の輪が患者さんまで広がっていない だけかもしれません。
患者さんの生活は、退院してしまえば患者さん本人とその家族で築き上げていかなくてはなりません。看護師がどれだけ嘆いても、その状況は変わりません。
「影響を及ぼせなかったね。仕方ないね。」で終わらせれば楽なんですが、そうもいきません!できるだけ最善を尽くす必要があります。
今の指導がダメなら「患者の話をゆっくり聞く」なのか「看護師が家族と話す時間をつくる」なのかはわかりませんが、とにかく、自分の行動が影響を及ぼせる範囲を探してアプローチし続けましょう。
さいごに
日常生活であれば「影響を及ぼせないことにまで首を突っ込むな!」が正解になりますが、看護の場ではそうもいきません。
「影響を及ぼすことができるところまで歩み寄る」が正解になります。
とは言え、やはり患者さんや家族の考え方や行動が最後まで変わらないこともあります。入院中は頑張っていたけれど、自宅に帰ったらもとの生活に戻って再入院なんてこともよくあります。
そんなときは、わかってくれない患者さんのことや、あるいは上手な指導ができない自分を責めたくなる気持ちになるかと思います。しかし、「患者さんの関心の輪に入らないことだったんだ」「自分の影響の輪の外だったんだ」と割り切りましょう。患者さんを責めることも、自分を責めることもやめましょうね。
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